函館市民、神戸市民のみなさん。なんだかすみません。
これら2都市の夜の景色は長崎市とあわせて日本三大夜景と評されて久しい…はずだったのですが、2015年に日本『新』三大夜景なる新しい格付けが始まり、
第1回目の2015年の選考では函館が、第2回目の2018年には函館・神戸の双方が三大夜景から漏れてしまう事態となりました。

そして、代わって加わった都市は札幌(2015,2018)と北九州(2018)。
2015年、2018年ともに1位が長崎、2位が札幌という結果となっております。
今回の記事では、そんな近年評価され始めた札幌の夜景の選ばれた理由、そして何が美しいのかを、札幌市内の夜景の名所である藻岩山の頂上にて考えてみたいと思います。
360度写真を使用しているため、札幌を訪れたような気分でお読みいただければと思います。
札幌が選ばれた理由



選考は夜景鑑賞士という有資格者の方々がアンケートに答えるという方法で行われますが、日本新三大夜景の公式サイトで理由は明記されておりません。
一方、北海道ラボという観光情報サイトでは、『景観スポットが数多くあること』とされていました。
そんな単純な理由か?と当初は私も考えましたが、そもそも何のために夜景を選んでいるかということを考えれば腑に落ちました。この1点に尽きると思います。
みなさんは、夜景と聞くとどんな景色をイメージされますか。
山や展望台へ上って眺めるもの、と思われるかもしれませんが、『夜のけしき』という辞書的な意味をくみ取るならば、海抜の低い場所から見上げた街の光だって夜景の一つです。



しかし、上から見たいという需要の方が圧倒的に多いのも事実です。
『#夜景』をinstagramで検索すると一望するアングルの写真が多く表示されますね。夜景をブランド化するのは、見る場所をブランド化することでもあると分かります。
夜もにぎわうような大きな街で、かつ周囲の標高が高いか高層ビルの展望台が多い、といった特徴を持った都市が選ばれるのは必然でしょう。
札幌は藻岩山だけでなく、札幌駅直結のJRタワーの展望台や、大通のさっぽろテレビ塔、スキージャンプ競技場の大倉山展望台などなど、知名度の高い景観スポットが目白押し(※札幌市民の感想)。
他方、函館の函館山や神戸の摩耶山・六甲山は有名ですが、それらのイメージが強すぎるあまり、肩を並べるほどのスポットを挙げるのは難しいですね(※札幌市民の感想)。
これらを踏まえると、観光客が気軽にアクセスしやすく、それによって多くの交通機関や展望施設が潤う都市を中心に選ばれているのだと考えられます。
札幌の夜景の何が美しいのか
しかしながら、いつまでも夜景にロマンを抱いていたい私にとっては、上記のような現実的な理由によって、札幌が日本2位の夜景都市の座にあると結論づけるのでは物足りません。
そこで、日本三大夜景すべてを眺めた私なりに、札幌の夜景の何が美しいのかにも焦点を当てて考えてみたいと思います。
先に結論を言うと、美しさの要因は『グリッドパターン』と『ナトリウムランプ』にあると考えられます。
立て続けにカタカナ語を並べてしまって恐縮ですが、まず『グリッドパターン』というのは、札幌の格子状に計画された都市のことです。
札幌市民にとってはもはや当たり前、しかし観光客にはこの規則的な街並みが新鮮に映ることでしょう。
さらに、『ナトリウムランプ』というのは、よくトンネルに用いられているオレンジ色のライトです。



札幌市中心部ではこれが街灯として用いられており、先述のグリッドパターンの街の輪郭を、暖かい光のナトリウムランプが浮き上がらせるという、特異な景観を形成しているのです。



そうして、この『特異さ』は人々の心を惹きつけてやまない『美しい夜景』と解釈されるようになったのでしょう。私は山頂でそんな結論を導き出しました。
思えば、くびれた半島のある函館や、港を取り囲むすり鉢のような地形の長崎もパッと見て分かる『特異さ』を持った景観でしたね。
それでは、熱く夜景を語るのもこの辺にしておきましょう。この記事がみなさまの素敵な夜景観賞の一助となっていれば幸いです。
本記事で使用した360度カメラ
ご参考までに、私が愛用している360度カメラをご紹介すると「RICHO THETA」というものです。
私は「THETA V」ですが、よりお手頃な「THETA SC2」、高機能な「THETA Z1」などのラインナップがあります。詳細はAmazonの商品紹介をご覧ください。
コメント